貰ったボロ自転車が新車に化けた

自転車で通勤していた私は、その日残業で遅くなって、
午後10時頃の暗い夜道を自転車で走っていました。

自分が走行しているのは片道2車線の幹線道路の左路側帯です。
前方の脇道から1台の自動車が、その幹線道路に出ようとしていました。
私はその自動車を先に行かせるべくスピードを落としましたが、
一旦停止停止線で自動車が停止したので、てっきりこちらを認識して止まったものと思い、
自動車のすぐ前を走り抜けようとしました。
ところが私が自動車の前に走り込んだところで、いきなりはその自動車が発進したのです。

自転車の前輪に自動車前バンパーが当たり、
私は自転車と一緒に車道側に跳ね飛ばされ転倒しました。
相手の運転手が慌てて自動車から降りてきました。
後で聞いたところ、右折するつもりだったので左前方の対向車ばかり気にしていて、
暗いこともあって右から来る私に全く気が付かなかったとのこと。
私の怪我は道路面との接触による手足の軽い擦過傷程度でしたが、
自転車の前輪は見事にフレームと共に歪んでしまっていました。

相手の男性は真面目そうな人で平謝りでだったので、
翌日の早朝からの仕事の事もあり、警察に届けて帰宅が遅くなるのが嫌だったので、
そのまま相手に自宅まで送って貰うことにしました。
また壊れた自転車は相手が後で回収し、
自転車店で同程度の新品を手当てすることしました。

今考えれば、やはり警察にきっちりと事故届はしておくべきだと反省はしています。
しかしとりあえずこの時は、相手が誠実に対応してくれて、
治療代と診断書代及び新車自転車で無事決着しました。

事故に遭った自転車は親戚から貰った古いものだったのに、
一気にそれが新品になってとても得したような気分でした。
交通量の少ない路線で時間的にも他の走行車がなかったのが幸いしましたが、
もし後方から他車が走って来ていたらただでは済まなかったでしょうに、
警察に届けもせず、自転車が新しくなったと単純に喜んている自分は、
今思えばなんと呑気だったことでしょう。